Toshi's Blog

1）テーマや情景を決める

まず、なんとなくテーマを考えました。

若い頃に一度離れたカップルが、再会して惹かれ合う──そんなストーリーにしました。

日本では人前でキスすることは少ないですが、欧米では日常的。なので、サビでは「そばに来てキスをする」という、世界共通の行動をテーマにしました。

2）日本語で歌詞を考える

POPソングの基本構成「バース → ブリッジ → コーラス」に沿って、日本語でざっくりと歌詞を作りました。内容が英語にしやすいよう、凝った日本語表現は避けています。

サビの部分や、最初からメロディーに載せたいキャッチーな歌詞の部分は、最初から英語で指定します。

<バース>

今日は朝から憂鬱な気持ち

好きなコーヒーもそれほど美味しくなかった

ふと君の顔が思い浮かんだ

自分のアイデアを提案してみたけど

誰にも受け入れられなかったよ

うまく行かない事もあるさ

<ブリッジ>

土砂降りの雨の中でも、心が折れてしまったときでも

君と手をつないでいれば僕は一番幸せなんだ

My lips feel lonely without your kiss

<コーラス>

come close it feel so right

let's kiss just you and me

2人だけの世界ですべてを忘れて見つめ合おう

3）ChatGPTでシンプルに英語に翻訳

まずは余計な条件をつけず、「英語にしてください」とだけ頼みます。ここで得られた英語がベースになります。ただし、POPソングであるとかの情報は与えていないので、直訳に近い翻訳が提示されます。何回か試しましたが、色々な条件を最初から与えてしまうと、歌詞の構成やストーリーを拡張した提案をしてきます。たくさんの要素が加わった歌詞になってしまい、収集がつかなくなってしまうので、最初は直訳的な翻訳から始めます。

4）メロディに合わせて単語数を調整

各行の英単語数（word数）を指定してChatGPTに調整してもらいます。たとえば「(6 words)」などと指定し、「この単語数にしてください」と依頼します。意味が同じになるかどうかを確認しながら語数を調整します。

5）ネイティブの表現に調整

基礎ができたら、ネイティブが自然に感じる表現に直してもらいます。「アップビートのPOPソング」「US/UKのネイティブに不自然でないこと」などの条件を与えて調整します。

ただし、これで完成ではありません。まだ「POPソングとして成立しているか」はわかりませんし、英語圏の人に通じる英語歌詞かどうかもわかりません。

6）別のChatGPTで情景を評価

ここからが重要なプロセスです。

別のChatGPT（新しいセッション）を立ち上げ、歌詞だけを渡して「どんな情景が浮かびますか？」と日本語で聞きます。自分が思い描いた情景と一致するかを確認します。POPソングとしての完成度も評価してもらいます。

「別のChatGPT（新しいセッション）」で評価することがポイントです。同じセッションで行うと、ChatGPTは今までの会話を踏まえて回答するため、第三者的な視点が弱くなってしまいます。

また、ChatGPTは、評価結果の最初で「素敵ですね」とか「素晴らしいです」とか言いますが、鵜呑みにしてはいけません。「褒め上手」なだけです。

7）ネイティブ視点で不自然な英語をチェック

「英語ネイティブが違和感を覚える部分があれば教えてください」と依頼し、意味が通じない表現や不自然な表現を洗い出してもらいます。

日本人の私が日本語で考えた歌詞が元になっているため、英語圏の人との考え方の違いもあると思います。このような要素も、修正の対象に含めて、ChatGPTに質問しながら修正してゆきます。

ただし、CharGPTの判断は絶対ではないため、結局は、自分の英語感覚を頼りに取捨選択して修正する必要があります。

8）評価を繰り返す

この評価を別セッションで繰り返します。いろいろな視点での意見を集める感覚です。「POPソングとして不自然な英語があれば教えてください」と依頼し、具体的な修正案をもらいます。

何度か繰り返し、どのセッションでも同じような回答になったら、評価は終了します。

これで、一応は、自分で考えたストーリーの歌詞が英語化できたと思います。

9）Spotify配信を前提に評価

最後に、「Spotifyで聴かれること」を前提に、歌詞の魅力と弱点を評価してもらいます。

ChatGPTは「褒め上手」なので、モチベーションは上がりますが、同時にインパクトの弱さや既視感といった欠点も教えてくれます。ただし、この評価が正しいとは限らないので、このことは忘れないようにします。

10）弱いと感じた部分を修正

私は作詞家ではなく、英語ネイティブでもありません。そのため、キャッチーな表現に直すのは難しいですが、自分の感覚を信じて、気になる部分に手を加えます。